三上超順力試之石の体積を測る

石井淳平
Jul 9, 2023

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フォトグラメトリやiPhone LiDARによって取得した三次元データから体積を計測する方法を紹介します。

三上超順力試之石と祟りの伝説

「三上超順力試之石」は厚沢部町字城丘史跡館城跡内にある丸石です。次のような話が伝わっています。

かつて山田某という者が、城跡にあったこの石を家に持ち帰り、力試しに用いていたところ、妻が病気になるなど不幸が続きました。そのため、厚沢部町館町の正定寺に安置されていました。石は長く寺にありましたが、昭和43年に、開道百年・館城百年の記念として正定寺境内から館城内へ移設されました。(『南北海道の文化財』を参考)

力試之石は、館城築城の際に建物の礎石として持ち込まれた礫と考えられます。力試之石には、柱当りのような痕跡もみられることから、実際に礎石として使われていた可能性もあります。石材は安山岩で、鶉川中流域(木間内から稲倉石)の川原に多く見られるものです。

どのくらい重いのか

何度か持ち上げることを試みましたが、一人では全く持ち上がる気配がなく、また、持つところが少ないので、大勢で持ち上げようとしても、せいぜい二人がかりぐらいでしか持ち上げることができません。ちなみに、3人がかりでも私たちは持ち上げることができませんでした。感覚的には軽く100kgは超えそうです。

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石井淳平

文化財保護、博物館について地方自治体職員の立場から意見を述べます。富山大学人文学部卒業(考古学専攻)、北海道埋蔵文化財センター、厚沢部町教育委員会、厚沢部町役場